効果:責任感/達成感/幸福感 ー神戸大学 西村らの研究ー
所得や学歴以上に自己決定が幸福度を上げる
他者にあれこれ言われて決定するとモヤモヤした気持ちになるーそんな人は多いと思います
神戸大学の西村と同志社大学の八木が、国内2万人に対するアンケート調査を行った結果、"所得や学歴よりも「自己決定」が幸福度に強い影響を与える"ことがわかりました
アンケートでは、全国の20歳以上70歳未満の男女を対象に、所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つがいかに幸福感と相関するかを分析しました
その結果、幸福感に与える影響力は、「健康>人間関係>自己決定>所得>学歴」の順であることが明らかになったのです
所得に関しては、1100万円が1つの天井であることも判明し、ある程度の金額を稼ぐことができれば、そこから先の幸福度はお金ではないということが示唆されました
人は本来自分で決めたい欲求が備わっている
自己決定によって進路を決定した人は、成果に対する努力を惜しまないため、責任や誇りをもちやすく、達成すれば幸福感を高まりやすくなります
「(心理的)リアクタンス」という現象があります
人間は、生来的に自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求が備わっています
しかし、それを強制されたり奪われたりすると、たとえ自分にとってプラスの提案であっても無意識に反発的な行動をとってしまい、自分の自由決定をとり戻そうとします
これを回避するためにも、積極的に自分から意思決定をして動いていくことが望ましいわけです
料理をつくっているときに、横から「もうちょっと塩コショウ入れたら」「ゆで過ぎじゃない?」などと言われると、「だったらもうつくるのやめる」と料理をつくりたくなく気持ちになったりします(料理をつくらないという自由決定をとり戻す)
ところが、自分が1人で好きなようにつくると、たとえ味が微妙でもストレスを感じる心理的リアクタンスに陥らないためにも、自己決定を下すことが大切というわけです
人生の幸福感、満足感を得るために、人にゆだねず自分で決定する
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堀田秀吾 SBクリエイティブ株式会社 2020
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