能力ではなく努力をほめる

考え方
効果:リ-ダーシップ/子育て
ーコロンビア大学 ミューラーとドウェックの研究ー

日本の学生は半分以上が自分のことをダメだと思っている

日本人は、他国に比べると自尊心が低いことが指摘されています
日本青年研究所が、日本・米国・中国の中高生を対象に、「自分はダメな人間だと思うか?」という調査を行ったところ、「ダメだと思う」と答えた学生が、米国と中国は20パーセント未満だったのに対し、なんと日本は約60パーセントに上りました

自尊心が低ければ、当然、自信もなくなり、不安にかられがちになってしまいます
では、自信をもたせるためにはどうしたらいいのでしょうか?

能力をほめることは、かえって逆効果

解決法の1つが、"ほめる"ことによって、その人の長所を伸ばし、自信をもたせることでしょう
ですが、むやみやたらに、ほめればいいというわけではないことが、コロンビア大学のミューラーとドウェックの研究によって示されています
ミューラーとドウェックは、次のような実験をしました

① まず生徒の能力を称賛し、その後、より難しいテストを行う
② まず生徒の努力を称賛し、その後、より難しいテストを行う

すると、は成績を伸ばしましたが、は逆に成績を落としてしまったのです
そして、能力をほめることは、子どものやる気をむしばむ可能性があると指摘しています

能力をほめるのではなく、プロセスをほめること

相手をほめるときに大切なのは、結果や能力をほめるのではなく、プロセスをほめることです
「頭が良いね」ではなく、「毎日1時間も勉強していたんだから本当にすごい」という具合に、具体的にプロセスをほめることが大切です
結果だけほめると、子どもは努力を怠ってしまうのです
これは子どもに限った話ではないでしょう
プロセスをほめることは、その人のこだわりや努力を評価することです
そういう部分を見てもらったほうが、次の努力につながりやすいのです

日本人学生に自尊心が足りないというデータは、「ほめるのが下手」という日本文化のウィークポイントとも言えるでしょう
誰かをほめるときは、プロセスを意識してほめること
そして、自分が能力をほめられたときは、図に乗らず、謙虚にさらなる研鑽を積むように心がけましょう

人をほめるときは、才能や結果をほめるのではなく、努力や成長などそのプロセスをほめる

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