感じよく言える人が、選ばれる
プロゴルファーには、プロのキャディーさんがついています。
お互いが選び合っているのです。
プロキャディーは大ぜいいます。
その中でトッププロに選んでもらえるのは、アドバイスを感じよく言える人です。
たとえば、どう見てもまっすぐのラインなのに、プロがスライスのラインと判断することがあります。
この時に、キャディーが「いや、これはまっすぐですよ」と言うと、感じがよくありません。
プロにはプロとしてのプライドがあります。
しかも、自分はキャディーを雇っている側です。
ここで感じよく言えるのが、プロキャディーとしての力量です。
選ばれるキャディーは、「どう見てもスライスに見えますよね。でも、ここのハウスのキャディーさんに聞いたらかっすぐと言うので、もう一回見てみますね」と、婉曲な言い方ができるのです。
プロゴルファーにはスポンサーがついています。
スポンサーに喜んでもらうためにはTV中継のカメラ割をすべて把握して、ロゴがきちんと見えるようにバッグを担いだり、クラブを置く必要があります。
こういうところに気を使える人が選ばれる人になっていきます。
自分がこうしたいからというよりは、どうすれば、まわりの人たちを立てられるかです。
私が博報堂で学んだことは、その仕事に参加している人たちすべてに手柄が生まれるようにすることです。
自分が手柄を独占しようとすると、次からはそのチームに選んでもらえなくなるのです。
アドバイスをできる人が、選ばれるのではありません。
感じ良く、アドバイスをすることができる人が選ばれるのです。
選ばれる人、選ばれない人。1ミリの差が決定的な差を生む。
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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