「頼まれたこと」をする人は、選ばれない。「頼まれていないこと」をする人が、選ばれる。
「私、選ばれなかったんですけど、ふだんからちゃんと頼まれたことをしています」と言っていると、選ばれない人になります。
上司からすると、「あいつは言ったことしかやらない」と思われます。
そこで、選ばれない人が「だったら言ってくださいよ」と返すと、水かけ論になるのです。
選ばれる人は、頼まれたことはもちろんしています。
さらに、頼まれていないことまでしています。
これを聞くと、選ばれない人は「わかりました。今度は頼まれないことをします」と言って、頼まれたことをしないで、頼まれていないことだけをします。
違うのです。
選ばれる人は、頼まれたことをした上で、頼まれていないことまでしているのです。
たとえば、上司に「〇〇を買ってきて」と頼まれて、Aさんが買い物に出かけました。
「そうだ、これもいるかな。二度手間になったらかわいそうだな」と上司が思っていると、「これもいるかなと思って買ってきました」と、帰ってきたAさんが言いました。
これが、頼まれていないことまでするということです。
Aさんが、「おまえ、気がきくね」とほめられるのを聞いて、Bさんは「自分だって、頼まれたら買いますよ」と言いました。
頼まれたことだけをするのは、小学校なら〇ですが、社会ではまだマイナスです。
社会には、Aさんのように、頼まれていないことまでする人間がいるのです。
頼まれたことをするかしないかではありません。
頼まれたことしかやらないか、頼まれたこと以上のことをするかで差がつくのです。
自分の身のまわりに、頼まれたことだけする人しかいなければ、どんどん目減りします。
そうすると、どれだけみんながサボるかで、サボっていない人の勝ちになります。
別の集団で、みんなが頼まれた以上のことをし始めると、さらに輪をかけて何ができるかという勝負になります。
一流の人と一緒に仕事をすると、さらに一流になります。
二流の人と一緒に仕事をすると、二流から三流にレベルダウンが起こるのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2015
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