道具を大切にできる人が選ばれる。
人を選ぶ時、一流の人ほど独自の方法で選びます。
「これがテストですよ」という形ではない基準を持っているのです。
選ばれない人は、面接やテストの時だけ頑張ります。
選ばれる人は、面接やテスト以外の部分で差をつけられます。
「これだけすれば選ばれるというコツを教えてください」という質問自体、選ばれない人の発想です。
選ばれる人は、コツを聞くよりも、選ばれるための習慣を身につけようとします。
習慣は、力んでいない、頑張っていない、モチベーションを上げていない時にしていることです。
たとえば、登山家の竹内洋岳さんは、一緒に山に登るスタッフを選ぶ時に、「すみません、ちょっとそこのロープを渡してもらえますか」と頼みます。
ロープの渡し方で、一緒に行くかどうかが決まるのです。
登山家はスタッフに命を預けます。
どれだけ仲間を守る気持ちがあるか、道具を守る気持ちがあるかということが、ロープの受け渡しひとつでわかるのです。
選ばれな人は、「こんなのはテストではないと思って油断していました。テストだと思ったら、自分はちゃんとロープを渡せます」と言いわけをします。
極限状態において勝負がつくのは、頑張ってすることではありません。
最も油断している時の立ち居ふるまいで差がつきます。
そこを見えられているのです。
いつも選ばれない人は、自分が面接室で頑張れなかったからだと思いこんでいます。
これは分析の仕方が間違っています。
待合室での立ち居ふるまいで、すでに勝負がついているのです。
選ばれない人は、テストで頑張ります。
選ばれる人は、テスト以外のところで、頑張るのです。
選ばれる人、選ばれない人。1ミリの差が、決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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