01 どんなこともまずはチャレンジ
<アドラーの言葉> 「自分には限界がある」と思うと、成長できない
「もう・・・・」「まだ・・・・」なんて思う必要はない
うまくいかないとき、「もうこれ以上はできない」「自分にとってはこれが限界だ」と思ってしまうと、そこで成長が止まってしまうんだ
アドラーは、人が成長できなくなってしまうのは、「限界があるから」ではなく、「限界があると思ってしまうから」と言っているよ
限界というのは、もともときみの中にあるものではないんだ
「限界がある」と思ってしまう、その気持ちこそが限界を作っているんだよ
古代中国の思想家・孔子は、弟子が「先生のおっしゃることは、まだ私にはできません」と言ったとき、「今、汝は画(かぎ)れり」と言ったという
これは「あなたは、まだ何もしていないうちから限界を決めている。それは言い訳にすぎない」という意味なんだ
自分で限界を決めず、まだまだがんばれるという自信を持つことで成長できるんだね
02 何度でもチャレンジし続ける
<アドラーの言葉> 勇気!自信!リラックス! この3つがあればどんなことも乗り越えられる!
3つのことを意識して、苦しさを乗り切る
アドラーは、勇気と自信があって、どんなこともおそれずにリラックスしている人は、人生においてのさまざまな課題を解決し、乗り越えることができると言っているんだ
乗りこえられる人は、そのための準備が整っているんだね
人生には、苦しいこともあるよね
やりたくないと思うことだってあるだろうし、逃げたくなることもあるかもしれない
でも、勇気・自信・リラックスという3つがそろっていれば、どんなことも自分の力で克服できるとアドラーははげましてくれているんだ
苦しいことを乗りこえられたら、その経験はきみを強くしてくれるし、成長させてくれる
すると、次にまた苦しいことに出あったとしても、前よりは強くなって成長したきみとして立ち向かうことができる
まずは、行動!
苦しいことも、きみの行動しだいで成長のステップにもできるんだよ
03 できないことなんて何もない
<アドラーの言葉> よい方法と練習によって、あらゆる人があらゆることをなし遂げることができる!
正しい練習を続ければ何だってできる
もし、苦手なことがあったとしても、「ぜったいにできない」なんて思うことはないんだ
アドラーは、どんな人も、どんなことも、できるようになると言っているんだよ
そのために必要なことの1つめは、先生からよい方法を教えてもらうこと
「できるようになるための方法」を知ることが大事なんだ
いい先生に「どうすればできるようになるか」を教えてもらい、実践できたら、よい結果につながるよ
必要なことの2つ目は、きちんと練習すること
せっかくいい方法を教えてもらっても、続けて練習しなくては成果は出ないよね
「継続は力なり」、つまり続けることが大切なんだ
勉強でも運動でも、苦手なことがあったら、先生に上達するための方法を聞いて練習を続けてみよう
04 いいわけは弱虫のすること
<アドラーの言葉> 劣等感を持つのは、向上したいと思っているからこそ 勇気があれば、劣等感は克服できる!
昨日よりも今日、今日よりも明日!
劣等感とは、自分はほかの人よりおとっていると思うこと
きみも、友だちにくらべて自分はダメだなぁと思うことがあるかもしれない
たしかに、劣等感はいい感情ではないよね
でもアドラーは、向上したいという気持ちがあるからこそ劣等感を持ってしまうと言っているんだ
よりよくなりたいと思うからこそ、ほかの人よりおとっていることを気にしてしまうんだね
だからといって、劣等感を持ち続けているのもツライ
劣等感を克服するために大事なのは、少しずつでも状況をよくしようとする勇気なんだ
ほかの人と自分をくらべて、どっちがすぐれているか、おとっているかを気にするのではなく、自分自身を少しでも成長させていくこと
人とくらべることをやめて、昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分というふうに成長していく
それが劣等感をなくす方法なんだね
05 勉強は自分から積極的にする
<アドラーの言葉> 学校は勉強を教えてもらうだけじゃなく、自分から進んで成長する場所だ!
自分で考えて解決できるようになる
アドラーは、勉強とは椅子に座ってじっとしたまま、言われることをただ聞いているのではなく、自分から進んで学ぶものだと言っているんだ
昔は勉強したくてもできない人が多かったことを思うと、自由に勉強できる今のきみたちは幸せなんだよ
自分で考えて問題を解決することを「アクティブラーニング」というんだ
「アクティブ」とは活動的・積極的という意味
積極的に学んだことは、しっかり身につくから忘れないよね
大事なのは、「自立して成長する」こと
自分の足で一人でしっかり立つのが自立
自分から進んで勉強することで成長できる!
勉強は、やらされるものではなく、自分のためにするものだということを覚えておこう
06 逃げずに自分の力でやり遂げる
<アドラーの言葉> やるべきことがあるのに、気晴らしばかりしていていは、やり遂げられない!
イヤなことをあとまわしにするのはやめよう
やるべきことが目の前にあってもやろうとせず、先延ばししていたら、どんなこともやり遂げられないとアドラーは言っているんだ
カンタンな宿題であっても、ノートを開いて始めなければ、いつまでたっても終わらない
物事をやり遂げるためには、何よりもまずやり始めなければならないんだ
やり始める決心がつかないときは、「やらない自分」と「やり遂げた自分」のどっちがいいか考えてみよう
「やらない自分」のままだと、どんどん自分のことがきらいになってしまうんじゃないかな
「やり遂げた自分」のことは、ほこりに思うし好きになるよね
一度でもやり遂げたら、それが自信になって、また次もできるはず
気晴らしに逃げずにがんばってみよう
僕からのアドバイスは、ストップウォッチを使うこと
「カチッ」とスタートを切って、時間をかはると勢いが出るよ
自分で決められる人になる! 超訳こども「アドラーの言葉」
齋藤 孝 KADOKAWA 2016