24 過去を気にせず前を見て努力する
<アドラーの言葉> 目標に向かって努力した先に、未来が広がっている
目標を決めて努力すると自分が好きになっていく
アドラーは、未来は努力と目標に結びついていると言っているんだ
目標を立てて、そこに向かって努力することは、未来に向かう行動なんだね
一方、過去は、劣等性や能力がない状態と結びついていると言っている
つまり、目標に向かって努力をする前の、今よりもダメな状態のこと
そんなところには決して戻りたくないよね
アドラーは、過去は変えられないけれど、未来は変えられるという考えなんだ
だから、変えられない過去のことをウジウジ考えていてもしょうがない
過去をふりかえらず、今ここから未来を変えていくことを考えよう
そうすれば、前進することができるよ
目標を立てて努力を続けている自分って、なんだかいい感じがするよね
今、ここからスタートだ
未来を見て進んでいこう
25 仕事で成功する大人になる
<アドラーの言葉> 「成功したい」という野心が、仕事で発揮されるのはいいことだ!
仕事は「人の役に立てるもの」を選ぼう
野心とは、自分にはふさわしくないほどの大きな望みという意味の言葉
あまりいい意味で使われることのない言葉だね
でもアドラーは、人はみんな野心を持っていて、それが仕事において発揮されるとしたらいいことだと言っているんだ
「成功する」というと、お金持ちになるとか、地位が高くなることだと思ってしまうかもしれないけれど、ここでアドラーの言っている成功とは、人の役に立って認められるという意味だね
仕事では、人や社会の役に立つことが大事
役に立つという大きな望みを持つなら、悪いことではないよね
野心や欲は、目標に向かって努力するエネルギーになる感情なんだ
ただ、自分のためだけの野心や欲というのは良くないね
それが、どんなふうに人の役に立つかを考えるようにしよう
26 人は一人ひとり違うから大切な存在
<アドラーの言葉> きみはこの世に一人しかいない まったく同じ時とは存在しない!
だれ一人同じ人はいない だから人間はすてきなんだ
アドラーは、同じように見える葉っぱでも、一本の木にまったく同じ葉っぱが二枚ないのと同じように、まったく同じ人はいないと言っているんだ
同じように見える葉っぱでも、顕微鏡で見ると細かい違いがある
人間もそれと同じなんだよ
よく、似た性質の人同士をタイプ別に分類することがあるけれど、アドラーは人をタイプで分けるということをしない
それは、どんな人も、その人にしかないものの見かたや考え方、態度といった「ライフスタイル」があるからなんだね
人は、一人ひとりみんな違う存在
そう考えると、人と違うことは悪いことじゃない
むしろ当たり前のことなんだ
きみと同じ人間は、この世に一人もいない
だから、自分のことを大切にしよう
27 努力してできるようになればいい
<アドラーの言葉> 失敗をおそれる必要はない! 失敗したら次に失敗しないようにすればいいのだ!
ダメをみとめる勇気を持とう
アドラーは、失敗や困難に出あうことによって、努力をし、技術をみがくようになると言っているんだ
失敗したからといって、自分はダメだと落ち込む必要はないし、失敗をおそれる必要もない
そんなことをしていたら、さまざまな人生の課題に立ち向かうことができなくなってしまう
できない自分、失敗した自分を受け入れることは難しいかもしれない
でも、「どうせ自分なんて」とか「まだ本気出していないから」なんて言い訳してみたり、「こんな自分はダメだ」と責めたりしても、何の解決にもならない
だから、そんな自分をみとめる勇気が必要なんだ
失敗したら、次に失敗しない方法を考えて実践すればいいだけ
失敗した自分をみとめることから、次の一歩を踏み出すんだ
28 不安はなくすことができる
<アドラーの言葉> 今生きているこの世界に自分の「居場所」があると思えたら、心から安心できる!
3つの課題をクリアできれば幸せになれる
まわりの人たちといい関係をたもち、役に立つ仕事をして、愛する人と生活する
この3つの課題をクリアして、人や社会に貢献することができたら、この世界で安心してくつろいでいられるとアドラーは言っているよ
それは、この広い世界の中に自分の果たすべき役割があり、その役割をきちんとこなすことで人の役に立っているという自信があるからなんだ
もしイヤなことや苦しいことがあっても、それらを解決する力があれば、何もこわがることはないよね
「自分はこの世界で生きる価値があり、この世界にちゃんと自分の居場所がある」と思えたら、不安はなくなるはず
そうなるためには、まずきみが自分を好きになること
そして、「自分はできる!」と信じること
すべてはきみの思いと行動からはじまるんだ
自分で決められる人になる! 超訳こども「アドラーの言葉」
齋藤孝 KADOKAWA 2016