感情は、自分でコントロールできる
人間関係においては、テクニックを使ってコミュニケーションをとろうとすると、それが相手にわかってしまい、余計に不信感を招いてしまうことになります
コミュニケーションで最も大切なことは、テクニックではなく、相手に好意を持つことです
そうはいっても、そもそも自分の感情をコントロールすることはできない、という方もいるかもしれません
しかし、人はだれでもその気になれば、完璧とはいえなくとも、自分の感情をコントロールすることができるのです
スポーツ選手はみんな、感情をコントロールするためにさまざまな努力をしています
たとえば、ボクシングの選手が試合で殴られて「何をするんだ!痛いじゃないか!」と腹を立ててしまったら、もう試合にはなりません
相手は、自分のパンチに自信を持って、より果敢に挑んでくるようになるでしょう
ボクシングでは、どんなに殴られても痛くない顔をして、腹を立てず、沈着冷静でいなければならないのです
中には、感情的になって、暴走してしまう人もまれにいるようですが、感情的になりすぎると、ルールを無視するようになり、スポーツではなくなってしまいます
いかに自分の感情をコントロールするか、ということが大切になります
日常生活の中でお、感情に振り回されることがあると思いますが、実は私たちも、努力次第でスポーツ選手のように、感情をコントロールできるようになるのです
ネガティブな感情に振り回されないためには
人間の意識は、たとえれば、とても小さなコップのようなものです
この小さなコップには、放っておくとネガティブな感情が入ってきてしまいます
そのコップの中には一度にひとつのことしか入れることができないために、ネガティブな感情が出ていくまで、ずっとイライラしていることになります
ですから、ネガティブな感情が入ってこないように、いつも意図的にポジティブな思考を入れておけばいいのです
スポーツ選手はみんな、たとえ失敗したとしても、マスコミのインタビューに対しては「今回の失敗は、次に生かします。いい勉強ができた」と、答えます
ネガティブな感情で意識を支配されないように、次に勝つためにどうしたらいいか前向きに考える、つまりポジティブな思考を大切にするという習慣ができているのです
これは、ひたすらそのような思考を持つように心がけてきたからこそ、できることです
最初はうまくできなくても、ポジティブな思考を持つよう心がけていれば、少しずつできるようになっていくはずです
たとえば、使う言葉を変えるだけで、意識をコントロールできるようになってくるのです
問題が起きたら「チャーンス!」と言ってみるだけで、気分転換になり、イライラを減らすことができます
同じように、大きな問題が起きたら「このときを待っていたんだ」と言ってみます
やる気が出てきます
すごく疲れた時は「これを味わいたかった」と言ってみます
これだけで、気分が大きく変わると思います
腹が立つのは、自分中心的になっているから
思い通りにならないことがあったときに腹が立つのは、「相手は私にこれをしてくれるはずだ」「これくらいのことはできて当然だ」と、自己中心的に考えてしまっているということの表れなのです
そして、自己中心的になればなるほど、思い通りにいかないことに出会うたびに、ネガティブな感情に意識が支配されるようになってしまいます
さらに、ネガティブな感情を持つことで問題になることは、何か判断をする際に、間違った判断をしてしまうということです
感情的になっているときというのは、目の前のことだけが基準になっていますから、極端に視野が狭くなり、広い視野から客観的な判断ができないのです
たとえば、人に何かきついことを言われて「何であの人はこんなことを言うんだろう」と、腹が立ったとします
そのときに「どう言い返すか」ということを考えたりすると、相手を傷つけるような発言をしてしまうことがあります
そうなると、後になって「なんで、あんなことを言ってしまったんだろう」と、後悔することになるのです
そのようなときは、きちんと反省して、それ以降は、話す言葉を選ぶ前に、話す気持ちを選ぶようにすればいいのです
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1日1分元気になる法則
福島正伸 中経出版 2010