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セルフ・ハンディキャッピングをしない

効果:好感度
ーニューヨーク州立大学 アロンの研究ー

人見知りをアピールすると好感度が下がる

日本人のコミュニケーションでよくありがちなのが、「人見知りなので・・・」とあらかじめ自分が人見知りであることを相手に知らせて、そのあとの会話の盛り上がりのなさをフォローしておく、というコミュニケーション方法です

これにより、双方がコミュニケションに労力をかける必要がなくなるため、いいように思われますが、この行為が「かえって好感度や親密度を下げる」という研究結果があります

人間関係で悩みがちな方にとって、ニューヨーク州立大学のアロンらの研究は覚えておいて損のないエビデンスと言えるでしょう

実験は、それぞれ初対面の男女あるいは女性同士がペアになり、15分間のトークを3セットしてもらうというものでした
被験者を2つのグループに分け、Aグループには、自分をさらけ出して相手とできるだけ仲良くなるような質問集を、Bグループには、あまり自分をさらけ出さないような質問集を用意して会話をさせました

会話終了後、お互いの親密度を測定する心理テストを実施したところ、Aグループのほうが2割ほど親密度が高いことがわかりました

人見知りを宣言するといった行為は、相手と距離ができ、お互いをさらけ出さない状況となるので、Bグループの条件に近くなります
それゆえ、親密になりづらいというわけです

セルフ・ハンディキャッピングは悪影響しかない

日本文化の美徳として"謙遜"という行為があります
「人見知りなので・・・」と伝えることは謙遜とも言えますが、その一方で、「あんまり勉強していなくて・・・」「バタバタしていてい・・・」などと同じように、あらかじめ予防線を張って、失敗する言い訳をつくる行為ともいえます
そして、このような行為を、セルフ・ハンディキャッピングと言います

セルフ・ハンディキャッピングは、自尊心を守るための行動ではありますが、自らにハンディキャップ(=言い訳)を課すことで、逆に自分と向き合えず、改めることができなくなるとも言われています

また、「私、人見知りなので・・・」のようなセルフ・ハンディキャッピング的謙遜は、場合によっては「あなたがリードしてください」という意味にとらえられかねません

自分への自信がないために、自虐的な自己紹介をするのもよく見かけますが、自虐は「イタイ」自己紹介になりがちですし、自慢やマウンティングも反発心を招いたり、あとでボロが出て余計につらかったりするものです

人間関係のストレスに発展しないためにも、謙虚でありつつ適宜自分を出しながら接していくのがベターでしょう

謙遜しすぎたり、自虐的な発言をするのは、セルフ・キャッピングではないか確認する

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