「楽しい」と「楽しむ」は違う
「働く」ことについて考える前に、「楽しい」と「楽しむ」の違いはわかりますか?
この二つ、似ているようで実は違います
「楽しい」は外部から与えられるもの
外側に存在していることに対してあなたがどう感じるかなので、「楽しい」は有限です
楽しいと感じる対象がなくなってしまえば、終わってしまう感情なのです
麻薬のようなものかもしれません
「楽しむ」は自分で工夫してつくり出すもの
あなたが自らつくり出していくことなので「楽しむ」は無限です
時代が変わろうが環境が変わろうが、あなた自身が心の底から楽しむ工夫をすることができれば、苦しい出来事ですらいくらでも「楽しむ」に変えることができます
あなた次第ということです
物事は最初からその「楽しさ」は見えない
最初から感覚的に好きなものならば、すぐに「楽しさ」を感じることもあるでしょう
でもそれだけでは、いつか飽きてしまう可能性があります
自分で未来を掴むためには、途中で苦しいことも出てきます
そういう時、「守破離」の「守」をひたすら続けることで、ようやく物事の「本質」が見えてきます
本質が見えてくると、自分なりの工夫を重ねることができるようになります
すると本当の意味で、物事を「楽しむ」ことができるようになっていきます
つらさを乗り越えた先に本当の「楽しさ」が現れてくる
たとえば野球で1000本ノックをひたすら続けるのは、つらい練習かもしれませんが、それを毎日続けることで、ホームランを打つ力が付き、試合で活躍できるようになる
そうして野球の本当の「楽しさ」を知ることができます
何のために働くの?
「何のために働くの?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか?
「お金が欲しいから」「大学を卒業したから」「皆がそうしているから」「親に言われたから」
いろんな答えがありそうですが、意外と明確な答えは返ってきません
「生きていくためにはお金が必要だから」
さらに突き詰めて聞いていくと、多くの人はこう答えます
それが働きだしたばかりの新入社員も、長く働いているベテランの人も
同じように一番大きな理由だったりします
人生において大きな割合を占める「働く」こと
多くの人にとって、人生の中でかなり大きなウエイトを占めているであろうこと、それが仕事です
仕事がうまくいっていないと、プライベートにもなんとなく暗い影がかかったり、
逆にプライベートが充実すると仕事にも良い影響があったり
「働く」という行為は、精神的にも肉体的にも、そして物理的な時間においても
あなたにたくさんの影響を与え、多くの時間を割かせているのです
働く時間も幸せな時間にしたいと思いませんか?
プライベートと仕事をきっちり分けようと思ってもなかなかできることではありません
どちらも影響し合うものですし、切り分けられないのは当然だと思います
だったら仕事においても、思う存分楽しんで充実した時間、生きている実感を得たいですよね
「働く」ことで大人になれる
人はいつから大人と言えるのか?
成人式を迎えたら?一人暮らしを始めたら大人でしょうか?
大人には年齢も生活環境の変化も関係ありません
大人になるということは「自立しているかどうか」で判断できるものです
「自立」とは文字通り、自分の足で立つということ
自分の足で社会の荒波に立ち、生きていけるということです
自立の反対は依存
誰かに何かを依存していると、自分の足では立っていないので、依存しているものを失ったとき人は倒れてしまいます その何かがなければとてもつらい
そうして人はうまくいかないことをその何かや誰かのせいにしたりし始めます
恋愛も人間関係も、依存された方は重みに感じてしまうもの
するとバランスが崩れ、関係は破綻に向かうでしょう
恋愛もより良い人間関係も、お互いに自立をしていることが基本です
どうしたら自立と言えるのか?
以下の3つの視点において、質問にイエスと答えられたなら、あなたは自立していると言えます
・身体面 健康であるか? ・経済面 独り立ちをしているか? ・スキル面 給料以上の働きができるか?
心身の健康を保ちながら、しっかりと誰かの役に立っている
誰の支援もなく自分の稼いだお金で生活ができている
そのために「働く」ということが重要なのです
「働く」を分解すると「人が動く」
この「人」とは「大人」のことを指します
そう、つまり大人の第一歩は「働く」ということなのです
同じ仕事でも「捉え方」で気持ちは変わる
「あなたは何の仕事をしているの?」
3人のレンガ職人が働いているところにこう聞いてみました
Aさんは「レンガを積んでいる」と答えました 彼にとって、レンガを積むこの仕事は"作業"でしかありません Bさんは「金を稼いでいる」と答えました 彼にとってこの仕事は"稼業"です お金を得て家族を養う必要があるのでしょう 目的があるので、単なる作業もAさんほどつらくは感じていないようです Cさんは「大聖堂を創っている」と答えました 彼は、レンガを積むという、人によっては単純作業にしか感じられないこの仕事に "使命"を感じて取り組んでいるのです
同じことをしていても、本人がどう捉えているかで
このように仕事についての考え方は大きく変わってくるのです
3人の人生はその後どうなった?
Aさんは、相変わらず別の場所でレンガを積んでいます Bさんは、木材切りの現場でノコギリ作業をしています 給料が高いから仕事を変えたのです Cさんは、真摯な働きぶりを評価され、役場に仕事を得ました 今は、未来のために街のランドスケープをどう発展させようかというやりがいのある仕事を任されて、充実した日々を送っています
あなたならなんと答えますか?
誰かから「何の仕事をしているの?」と聞かれたら、あなたならなんと答えますか?
あなたは、今のあなたの仕事や勉強に対してどんな思いを持って取り組んでいるのでしょうか
働く目的がわからなければ仕事は"作業"になる
あらためて、働く目的について考えてみましょう
多くの人が意外にも「働く」ということに対しては、ぼんやりとしか目的を持っていないようです
レンガ職人Aさんのように、目的もわからず目の前の作業にしか目が向いてないとしたら
仕事はとてもつらいものに感じられるでしょう
「こんなことをするために生まれてきたのだろうか・・・」
このように悶々と悩んだり、深く考えずに「こんな仕事は嫌だ」と会社を辞めて
職を転々としたりする人もいるかもしれません
「働く」ことについて学んだことがありますか?
これまで教育を受けてきて「働く」ということについて学ぶ機会はなかったのではないでしょうか
そういう場所もカリキュラムもないので、大人になるまで、いえ、なってからもあなたは「働く」ということについて真剣に考えたことがなかったでしょう
あなたが今、働く目的をしっかり持つことができないとしても、それは仕方のないことです
「働かされている」から「働く」へ
目的がないと「働かされている」という状態が続きます
だから、仕事をシンドイと感じてしまうのではないでしょうか
レンガ職人Cさんのように「働かされている」から「働く」へ捉え方を変えることができれば
つらい仕事も「楽しむ」ことに変換することができそうです
もちろん最初は、自立するためでいい
自分で自立した生活を始めるために、まずはお金を稼ぐことからスタートすればいいと思います
でも、そのままではつまらなくないですか?
いつまでもそこから抜け出せなかったら、あなたの仕事はずっと"作業"のままになってしまいます
「働かされている」から「働く」へ
働く目的がわからなければ、仕事は"作業"になります
では、どうやったら"作業"から抜け出せるのか?
それには、働く「目的」を持つことが必要なのです
自分を動かす習慣80のヒント集。
張替一真 ぱる出版 2019
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