サイトアイコン 薬剤師のリベラルアーツ研究所

死に様

「死に様は生き様だ」と言われます

ある同族経営の企業では、社長の甥が専務を務めていました
その専務はいじめのターゲットを決めると、その社員に徹底的に嫌がらせをしていました
Aさんは専務に「俺の車を出しておいて」と言われ、駐車場から会社まで専務の高級車を運転しました
するとそのあと、「お前、俺の車ぶつけただろう!」「お前、私的に俺のベンツを乗り回しているだろう」と何かにつけて因縁をつけられ、いじめのターゲットにされていました

そんなとき、専務の顔が黄ばみだしたのです
でも、顔色の変化について口にする社員はいません
みんな、余計なことを言って、いじめのターゲットにされることを恐れたのです
しばらくして専務は亡くなりました
病気で顔に黄疸が出ても、一人暮らしの上、社内で誰も彼に声をかけられなかったので、自分の顔色の変化に気づくことができなかったのです。
誰にも口出しさせない彼の生き様が、その死に様に影響したのです

生命保険のトップセールスマンの友人に、「自分が死ぬときに、どんな人がどれだけお葬式に来てくれるかって考えたことない?」と聞かれたことがあります
死ぬときにたくさんの人から惜しまれて旅立つような生き方をしたいから、彼はいつもお客様の立場に立った愛のある行動ができるのです
生命保険を通じて人の生死に触れているからこそ、常に死に様を意識しながら、生きているのです
だから人に恥じない、優しい生き方ができるのです

もし、明日死ぬとしたら、多くの悩みは小事となり、許せないと思っていた相手へのわだかまりもなくなる人が多いのではないでしょうか?
だから人生のエンディングまで考えて、今を生きている人は好かれます

コーチングでも「あなたの墓石に言葉を刻むなら?」と死を意識した質問をして、今どう生きたいかを問うことがあります

鉄鋼王と称されたアンドリュー・カーネギーの墓石には「己より賢明なる人物を身辺に集める術を修めし者ここに眠る」と書かれています
人は生き様が死に様になります
そして生き方は死に様を考えることで変わります

人生のエンディングを考えて生きる

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

藤本梨恵子 明日香出版社 2020

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