ミスが起こってしまったときは、仕組みを変えるチャンスと考える
●どんなに優秀な人でも、最初からすべての仕事をミスなく完璧に仕上げることは難しい
●ミスが必ず起こるものだとしたら、そのときが意識を変える絶好のチャンス
●ミスをしたときに重要なのは、同じミスを二度と繰り返さないための再発防止策を考えること
●ミスが起こるのは個人の責任ではなく、仕組みに問題があるから。再発防止策は、ミスが起こらない仕組みを作り出すこと
●ミスをしたときの叱責は、改善のフィードバックととらえる。人間性を否定されているわけではない
自分の行動をチェックしてみよう
□人はミスをする生き物だと思っている
⇒ミスをする人は無能だと思っていませんか
□叱られても、人格を否定されたわけではないと知っている
⇒ミスをしたときに叱られても、立ち直れないほど落ち込むことなく、反省して次への糧としています
□ミスの起こらない仕組みを考えている
⇒次はミスをしないと決意するだけで終わっていませんか?
入社1年目の疑問・質問にすべて答えます
Q. じっくりやるのが苦手で、仕事は速いのですが、雑です。こういうタイプの人間がミスを減らすコツはありますか?
A. スピードは速いけれど雑であることは、決して悪いことではありません。ただ、書類の作成を例にすると誤字脱字・てにをは・数字など、ミスにはパターンがあるので、自分のミスのパターンを分析してください。その上で、たとえば最後に必ず検算する習慣をつけたり、エクセルにチェック機能をつけたり、ミスを防ぐ仕組みをつくる。これがミスを減らすコツだと思います。
Q. ミスをして叱られると、人格攻撃ではないと知っていてもヘコみます。気にしすぎないコツはありますか?
A. 感情を排し、犯したミスをノートに記入してみましょう。客観的になれば落ち込むことはなくなります。同期に「また怒られたよ、テヘペロ」でも構いません。新人は怒られるもの。気にしないでください。それよりも「次同じ場面に遭遇したらどう対処するか」を、しっかり考えておくことが大事です。
Q. 覚えることが多すぎて、一度のミスでは終わりません。強い口調で怒られますが、指示をする上司にも問題があるように思います。
A. そうですね、上司の責任が0%ということはないと思います。ミスをしっかりと記録し、振り返る。そこには上司や先輩ではなく、メンターのような人がいたほうがいいですね。第三者に再発防止の仕組みを口に出して言うだけで、ミスは減ります。
Q. 「仕組みのせいにするな、おまえの問題だ」と言われます
A. どこまでが自分の問題で、どこからが仕組みの問題かをよく考えてみましょう。若い人がミスをするのであれば、ミスをしないような仕組みにするべき。上の立場であれば、仕組みのせいと考えるべきです。
入社1年目の教科書 ワークブック
岩瀬大輔 ダイヤモンド社 2018