ただこなす人より、ニコニコできる人が選ばれる。
選ばれない人は、よく「私も人並みのことはしています」とグチをこぼします。
ただ、この人に足りないのは笑顔です。
選ばれた時は、誰でもニコニコします。
仕事を頼む側、誘う側、選ぶ側としては、選ばれなくてもニコニコしている人は、次は選びたくなります。
選ばれなかった時にブスッとされると、選ぶ側は自分が悪人になったような気持ちになります。
そういう人は選考の場に呼ぶのがイヤになるので、エントリーされなくなるのです。
状況によって、選ばれる時もあれば、選ばれない時もあります。
選ばれない時に、どれだけニコニコできるかです。
オーディションでも、必死な人に限って、選ばれなかった時にブスッとしてしまいます。
仕事は、その1回限りではなく、ずっと続いていきます。
私は20代の時、博報堂のCMプランナーをしていました。
CMのコンテはあらかじめ決まっているので、モデルは企画に合ったイメージの人を選びます。
かわいいから選ぶということではありません。
いいコなのに企画の狙いに合わなくて落とす時は、心苦しいものです。
会社を辞めてから、私のかかわったオーディションではありませんでしたが、「オーディションを受けて落とされました」と言われたことがあります。
私が選ぶ側の仕事をしてよかったのは、選ばれなかった時にどうすればいいかわかったことです。
選ばれなかった時にガッカリするのは、それだけやりたかったということです。
気持ちはわかります。
捨てゼリフは言わなくても、落ち込まれると、次からは会いにくくなるのです。
そこでニコニコしていると、その人に合わせた企画をつくりたくなります。
そんなことが2回、3回と続いたら、4回目はオーディションはしないで、その人用の企画を先につくろうという気持ちになるのです。
1回1回が一発勝負ではありません。
1回1回が蓄積です。
私自身が映画のオーディションを受けに行く時は、自分のキャラクターを知ってもらうために行っています。
この先の役づくりで、「こういう人がいる」と覚えてもらうために行くのです。
今回のためだけではないと考えると、落ちてもニコニコできるのです。
選ばれなかったことで、ブスッとすると、次回、また選ばれません。
今回選ばれなかったとしても、ニコニコしていると、次回、選ばれます。
大事なことは、今回選ばれることよりも、次回、選ばれることなのです。
今回の結果が出たときのリアクションが、次回のオーディションなのです。
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