自己流にこだわる人は、選ばれない。自己流とは、今までのうまくいかないやり方だ。
自己流で仕事や勉強をする人は大ぜいいます。
自己流は、独自のやり方ではありません。
今までのやり方で、うまくいかないやり方です。
うまくいっている間はいいのです。
ただし、自己流でうまくいくやり方には限界が来ます。
一生懸命でまじめな人は、自己流でうまくいかなかった時に「頑張りが足りないからだ」と解釈します。
やり方が間違っているのに、さらに輪をかけて頑張るのです。
それではマイナスの結果しか生まれません。
選ばれる人は、自己流を捨てて、人に教えてもらうことができます。
どんなにすごいメジャーリーガーでも、自分よりすごい選手には「どうやっているんですか」と腰を低くして聞く謙虚さを持っています。
メジャーリーガーのフォームは個性的で、みんなが好き勝手なことをしているというイメージがありますが、実際はそうではないのです。
これがメジャーリーガーのすごさです。
自己流にしがみつくのは、小学校の優等生です。
学校ではうまくいっても、社会では通用しません。
社会では要素が多すぎるからです。
問題を出す人も多いし、採点基準もわからないし、範囲も決まっていません。
そんなところで、べらぼうに見えにくいテストを正解もわからないままやらされるのです。
小学校のやり方がうまくいくという思い込みは早く捨てるべきです。
優等生ほど、この思い込みが捨てられません。
「ひょっとしたら、まだこれで通用する何かがあるんじゃないか」と、小学校の時うまくいったやり方にしがみつくのです。
これが選ばれない人です。
そこそこ美人で、学生時代にモテた女性は、いい年になっても髪型が変えられません。
30代なら30代、40代なら40代、50代なら50代に合う髪型があります。
自分が一番モテた時にの髪型や化粧にしがみつく人は、逆にオバサンに見えます。
それよりは、自分流を捨てて、美容師さんに聞いたり、メイクを習ったりしたほうがいいのです。
その道のプロにきちんと教われる人が、選ばれる人になるのです。
「こんなに努力をしているのに、選ばれないのは、まだまだ努力が足りないからだ」と言う人は、選ばれません。
努力をすれば、選ばれるわけではありません。
間違った努力をすると、ますます選ばれなくなります。
努力のやり方を、修正できる人が、選ばれるのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が、決定的な差を生む。
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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