手を動かしながら、横目で挨拶
態度や立ち振る舞いには、本音が表れると言われます
「一度に2つのことをするのは、何かのついでみたいでみっともないからやめなさい!」
CA時代、先輩にこう叱られたことがあります
それは、新聞を整理しながら、首だけをお客様に向けてご挨拶したときのことでした
手を動かしながら横目でお客様を見たのでは、「ようこそいらしゃいませ」という歓迎の心がこもっているようには到底見えません
首だけお客様に向けて挨拶したとき、私の頭の中は「しなきゃいけないことがいっぱい」という焦りの気持ちばかりで、心ここにあらずという状態でした
そんな心の状態がそのまま態度にでてしまい、それを先輩に注意されたのです
薬歴を打ちながら、自動ドアの開く音を聞き分け、顔はPCに向けたまま「こんにちは~」 ピッキング途中、顔、体は棚に向けたまま背面で患者さんの来局を察知し、後ろ姿のまま「こんにちは~」 忙しい薬局ではよく見かける光景ですよね 私にも覚えがあります そんなときの心の中って、余裕が全くないですよね 「あ~忙しい、また患者さん来ちゃったか・・・ 今日も残業かぁ~」 患者さんを思いやる心どころか、自分のことしか頭になかったように思います そのことが立ち振る舞いに出てしまっていたということです さあ、今日は「2つのことを一度にやらないようにしよう!」 そう心に留めて仕事を始めてみませんか?
鼻先、心臓、つま先を相手に向ける
税関では、「正対」していない人は怪しいと言われます
「正対」とは鼻先、心臓、つま先が相手のほうに向いていることを指します
確かに、顔は正面を見ていても、つま先が真横を向いていては、その場をすぐに離れたいような印象に見えますね
ビジネスシーンでも、上司に呼ばれたとき、顔だけを向けて返事をしたときと、しっかり全身(少なくとも上半身)を上司のほうに向けて返事をしたときでは、印象がかなり変わってきます
顔だけの場合、面倒くさそうに見えてしまうものです
そして実際、面倒くさいと感じていることが多いのも事実・・・
その気持ちが相手に伝わってしまうのは好ましくありません
「話を聴くときは相手のほうをしっかり向く」
これだけでも徹底して行うと、信頼感や安心感を与えることができます
話を聞く際の態度でもう一つ挙げると、まっすぐ立っているより、上半身を5度くらい相手に向かって前傾姿勢をとると、一所懸命聞こうとしている気持ちが伝わります
これは「お伺いの姿勢」と呼ばれていて、耳と心臓を相手に近づけることで「なんでも言ってくださいね」というメッセージを発しているのです
これで、相手も親近感を感じてくれるでしょう
人間ですから、面倒くさいときも、いやなときもあるでしょう
でも、気をつけないと本音は振る舞いに必ず出ます
ほんの少しのしぐさで「信頼できない!」と思われるのはもったいないことです
ひと手間かけた態度や振る舞いは、相手に与える印象を格段に変えるということを覚えておきましょう
|
仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン
三上ナナエ すばる舎 2014