保身する人は、選ばれない。吸収する人は、選ばれる。
私はビジネススクールで教えています。
私の中では、先生と生徒は対等です。
アメリカのビジネススクールでも、先生と生徒は、まったく対等です。
先生がビジネスを起こす時にパートナーを生徒の中から選んだり、生徒が起業する時に顧問として先生を雇ったりするのです。
ビジネススクールの生徒は2通りに分かれます。
たとえば、生徒が「自分1」という意見を出します。
それに対して、先生が「先生1」という違うアングルでアドバイスをします。
ここまでは同じです。
ここから先が分かれます。
選ばれる人は吸収する人です。
先生のアドバイスを聞いて、自分の「自分1」を進化させて「自分2」へ持っていきます。
選ばれない人は保身する人です。
先生の「先生1」というアドバイスに、「でも、僕は自分1だと思います」と戻ってしまうのです。
学校は何かを吸収する場所です。
自説を主張するために
来ているなら、学校に来る意味がないのです。
会社の会議でもこれが起こります。
「これをしたいと言ったら、これをしたいんだ」と、自説を言い張る人がいます。
まわりでどんな意見が出ようが、最初の意見にずっとしがみついたままです。
この人は勝ち負けにこだわっています。
意見を変えたら負けたことになると思っているのです。
競争に来ている人は選ばれなくなります。
それよりは、ほかの人の意見を、節操がないぐらいどんどん取り入れたほうがいいのです。
「それいいな。だったら、こうしたらいいですね」と吸収する人が選ばれます。
保身は、結局、執着です。
これも小学校の優等生に起こりがちです。
意見を変えたら自分が最初に出した意見が間違っていたことを認めることになるので、頑として自分の意見を変えようとしません。
最初に言った「自分1」のまま、いっさい進化させないことが、自分のメンツが潰れない方法だと思っているのです。
メンツにこだわるのは、上司だけではありません。
部下でもメンツにこだわる人がいます。
そもそも先輩と後輩には経験差があります。
選ばれる側の後輩が、どうして中途はんぱなメンツにこだわってチャンスを逃すのかということです。
その人は、結果、選ばれません。
こんなもったいないことはないのです。
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