失敗談を聞く人は、選ばれない。自慢話を聞く人が、選ばれる。
話し方の本には、たいてい「成功談より失敗談をしましょう」と書いてあります。
グチで一番多いのは、「自慢話ばかり聞かされる」ということです。
自慢話を聞ける人は選ばれます。
失敗談を聞きたがる人は選ばれません。
理由は2つあります。
誰でも成功談を話したいのです。
成功談は、つい自慢話になります。
それを聞いてくれる人は、なかなかいません。
「他人の幸せは自分の不幸」と感じるからです。
失敗談なら、みんな聞いてくれます。
その中で、成功談とか自慢話をニコニコ笑って聞いてくれる人がいたら、それだけでかわいがられて、選ばれる人になるのです。
もう1つは、失敗談よりも成功談のほうが、はるかに自分が成功するためのヒントに満ちあふれています。
失敗談は、なぜ失敗したのかの分析が間違っていることが圧倒的に多いのです。
「自分がなぜ面談で落ちたか」という話を聞いても、その人は面接を通っていないので、本当のことはわかりません。
お金持ちになる方法は、お金持の人から聞くに限ります。
お金持になりそこなった人が、いくら「自分がお金持になれなかったのは、これが原因だ」と言っても、それがわかっていれば、その人はお金持になっています。
まだ、お金持になっていない時点で、それは仮説にすぎないのです。
女性にモテたい人は、モテている人の話を聞くことです。
成功している人のノウハウには信憑性があります。
モテない人が「こうしたらモテないよ」とか「こうしたらモテるに違いない」と言っても、参考になりません。
それはあくまで実証されていない仮説にすぎないからです。
選ばれる人は、成功している人から自慢話を気持ちよく引き出せます。
本来、成功のノウハウは、人にはあまり教えたくないものです。
自慢話を気持ちよく聞いてくれる人がいると、ついつい話してしまいます。
それを聞かない手はないのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が、決定的な差を生む。
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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