能力のある人が、選ばれるのではない。 上司の狙いがわかる人が、選ばれる。
選ばれるためには、どうしたらいいのでしょうか。
選ばれない人は、
「能力を伸ばすこと」
「自分の強みをつけること」
「ほかの人にないインローワンのものを持つこと」
と、答えます。
選ばれない人は、いいかげんな人ではありません。
一生懸命頑張って、競争相手にない自分の強みを磨こうとします。
強みを持っていれば選ばれるかというと、そんなことはないのです。
たとえば、サッカーで先発メンバーに選ばれる人は、サッカー選手としてすぐれている人ではありません。
監督の今日のゲームプランがわかる人です。
まず、監督や上司の狙いを酌み取ることです。
自分の強みをアピールするだけでは、ますます上司の狙いから離れていきます。
映画やドラマの監督には、
❶役者のやりたいようにさせる監督
❷自分のプランどおりに役者を動かす監督
の2パターンがあります。
❷のタイプの場合、役者が「オレはこんなふうに演技プランを考えてきた」と言うと、次からは呼んでもらえなくなります。
私が役者として現場に行くときは、まず、監督がどちらのタイプかを見きわめます。
監督の狙いどおりのものを求められたら、それに従います。
時々、自分の台本が真っ黒になるぐらい書き込みをして、一生懸命役をつくってくる人がいます。
本人は頑張っていますが、全体のハーモニーは壊れます。
オーケストラの演奏でも同じです。
仕事においても、上司の狙いを把握した人が選ばれるのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が、決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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