好きではない頼まれごとを断る人は、選ばれない。好きではない頼まれごとも引き受ける人は、選ばれる。
「頼まれごとをされる存在」になるのが、選ばれる存在になるということです。
選ばれない人も選ばれる人も、「私は頼まれごとが好きです」とみんな言います。
頼まれごとの中には、自分が好きなこともあれば、好きではないこともあります。
「好きな頼まれごとをするのが好き。好きではない頼まれごとをするのはめんどくさい」と思っている人は、選ばれません。
好きな頼まれごとでは差がつきません。
好きではない頼まれごとを、どう引き受けられるかです。
ある一流ホテルは、新館と旧館に分かれています。
新館と旧館は通路でつながっていますが、初めて来たお客様にはわかりにくい構造です。
新館にいたお客様が、ホテルのスタッフに「すみません、旧館に行きたいんですけど」と聞きました。
案内のスタッフではなくて、荷物を運んでいたスタッフです。
自分の仕事が忙しかったスタッフは、「反対」とだけ言って去ってしまいました。
お客様からすると、聞いた相手はホテルの従業員です。
あとで、このスタッフに聞いてみると、「自分は荷物を運ぶのが仕事だから関係ない。ちゃんと教えた」と言いました。
お客様が聞いているのは、旧館が反対かどうかではなくて、行き方です。
「ここは新館なので、旧館へはこういうふうに行くんですよ」と道を教えてあげればいいのです。
これは、自分が仕事を一生懸命している間に好きではない頼まれごとをしたということです。
選ばれるためのポイント、一番のチャンスは、好きではない頼まれごとをされた時です。
ここが運命の瞬間であり、勝負の分かれ目です。
好きではない頼まれごとをされた時も「ヤッター」と、ニコニコ笑って引き受ければいいのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2015
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