売ろうとする人は、選ばれない。役立とうとする人は選ばれる。
たとえば、お客様に商品を買ってもらいたい、サービスを受けてもらいたい、契約をしてもらいたいというセールスをする時も、選ばれるかどうかの立場になります。
デフレの時代は、お客様が主導権を持ち、売る側は主導権を持てません。
買い手が複数の売り手から選ぶことになります。
売り手は
①なんとしても売ろうと頑張る人
②どうしたらお客様の役に立てるだろうかと考える人
の2通りに分かれます。
なんとしても売ろうとする人は、売上を伸ばすという自分側のメリットしか考えません。
役立とうとする人は、お客様の役に立てる方法を考えます。
たとえば、タクシー運転手のAさんは、なかなかお客様がいない時に、東京駅まで急いでいるお客様を乗せました。
道が渋滞していたので、「お客様、それなら途中の駅まで行きますから、そこから地下鉄で行かれたほうが早く着きます」という選択肢を出しました。
店員のBさんは、お客様が買い物に来た時に、「それなら、うちの店よりも、向かい側にある店で買われた方が、お客様の求めている商品があります。」と言いました。
AさんとBさんの提案は、自分の売上が下がることです。
役立つということは、相手が困っていることをいかに解決できるかを考えることです。
結果として、Aさん、Bさんのような心がけの人が売上げにつながるのです。
結果を先にとろうとしていくと、選ばれる人にはなりません。
小学校では結果はすぐ手に入りますが、大人の社会では結果がなかなか手に入りません。
勝者が1人で敗者が99人いうというのが大人の社会です。
しかも、その結果が出たのかどうかなかなか見えません。
そんな中でモチベーションをキープするためには、お客様の役に立つことをコツコツ続けることです。
これは、一見遠まわりに見えますが、実は結果を出すための近道で、選ばれる存在になっていくのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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