壁を感じるのは、挑戦しているから
以前、営業の仕事をしている若い方から、相談を受けたことがありました
要約すると、次のような内容でした
「今、壁にぶつかっている気がする。仕事をしていくうえで、頑張りたい、いい仕事をしたいという気持ちは強く持っているのに、結果がついてこない。新規開拓の営業をしているのだけれど、商品を売るどころか、お客さまへのアポイントすら、ろくに取ることができない。何の結果も出せなくて、自分がこの会社にいる意味があるのか、人件費がかかる分、自分なんかいないほうがいいんじゃないかと思ったりもする。まわりに迷惑をかけている」
私はその方に、こう答えました
「それは挑戦している証拠です。あなたは、どんどん成長していますよ。何でもできる人になると思います。そもそもなぜ、今そのような壁を感じていると思われますか」
彼は、自分のことをよくわかっていました
「頑張れば頑張るほど、かえって自分に足りないものがあることに気がつくんです。もちろん、経験がないことが一番かもしれませんが、業界の動向や商品の知識などが足りないために、そもそも自身がないのだと思います。忙しいことを理由にして、そういう勉強を怠ってきたことが、今になって、こういう結果になっているのかもしれません」
私は続けて言いました
「何の心配も要らないです。なぜなら、それだけ冷静にちゃんと自分を分析できていますし、そもそもこうして、人に相談ができるというのは、とても勇気が必要なことなんですよ。相談するって、自分の欠点を出すことになるので、勇気がないとできないんです。遅かれ早かれ、あなたは将来、世の中を変える人になると思うので、自分のペースでやっていけばいいと思います。私は、あなたを信じます」
壁を感じるということは、自分が成長している証拠です
何かに挑戦している人の前には、必ず大きな壁が立ちふさがります
そのとき、自分の限界を感じることがあるかもしれません
しかし、私はいつも壁を感じることに挑戦していきたいと思っています
壁のないところで、何かを成し遂げたとしても、面白くないですし、自分の成長にもならないからです
壁を見つけたら、登ることができるのか、手をかけるところ、足をかけるところがあるのか、弾みをつけて飛び越えることができるのか、思いっきり押せば倒れるのではないかなど、その壁をどうやって乗り越えていくかを考えることが、何よりも楽しいことだと思っているのです
ですから、私は壁を感じることを、困ったことだと考えないようにしています
壁にぶつかるのは、過去の自分の限界を打ち破るため
そもそも、壁を感じる地点というのは、その先は、これまでの自分の知識や経験ではどうしていいかわからない地点なのです
つまりそれは、自分の過去の限界といってもいいでしょう
過去の限界を感じる瞬間というのは、その先の挑戦する時間はすべて、新しい自分になることができる素晴らしい時間になるということです
そう考えると、何をやっても、どんなに難しいことに挑戦したとしても、立ち止まらないで進み続けることができるようになると思います
そして、たとえ時間がかかったとしても、将来は大きな結果を出すことができるようになると思います
人生の中では、いろいろな壁があって、たくさん悩み、考えた方がいいと思うのです
現在、バリバリ仕事をしている上司や先輩だって、いろいろなつらい経験や、悔しい思いをしたからこそ、今があるのです
どんなに頑張っても結果が出ない期間を、上司や先輩も経験しているはずなのです
すべての限界は、過去の限界であり、これからの限界ではありません
1日1分元気になる法則
福島正伸 中経出版 2010
コメント