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仕事が感動に変わる5つの心構え

面白い仕事も、つまらない仕事もない

ある人気レストランのシェフとお会いした時、次のようなお話をしてくださいました。

「一人で、厨房で仕事をしている間は、ずっと集中し続けなければなりません。
一時も気を許すことができない作業が続きます。
でも、毎日それができるのには、はっきりした理由があるんです。

それは、今つくっている料理を召し上がっているお客様の笑顔が見えるからです。そして、そのお客様が家に帰って、家族に今日の料理の自慢話をしてくださっている姿も見えます。さらに、その話を聞いた家族が、”私も連れていってほしい!”と言っている姿も目に浮かびます。そして、その家族が友人に電話をして、一緒に私のレストランに来る約束をしている姿も見えます。
そして、友達をたくさん連れて、お店にみなさんが笑顔でやってきてくださる姿が見えるのです。
・・・すべて、ただの妄想かもしれませんけどね。

でも、そう思うと、今やっていることから、手を抜くことができなくなるんですよ。
ところが、無意識で仕事をしている時は、そのイメージが消えてしまっています。
そんな時は、仕事に集中し続けることはできません。
どのように一回塩を振るかで、お店の未来、地域の未来、自分の未来が変わる、と言う感覚が必要なんです」

仕事の内容だけを見ていると、それらは単なる作業になってしまうことがあります。
コピーをとる、電話をとる、企画書を書く、打ち合わせをする、組み立てる、納品する。

これでは、いったい何が面白いのでしょうか?
面白いはずがありません。

しかし、コピーをとることで、コピーを頼まれた他のスタッフの役に立つことができる。
さらに、そのスタッフが、お客様に自分がとったコピーを見せることで、喜んでいただくことができる。

それによって、お客様が自分たちの商品やサービスの魅力を感じ取って購入し、生きている時間を楽しみ、より幸せを感じていただくことができる。

つまり、コピーをとるほど、たくさんの人に貢献できる、社会に貢献している、と考えてみたらどうでしょうか?
さらに、コピーをとるためには、その機械を開発する技術者が必要です。そうでなければ、その内容をすべて、書き写さなければならないかもしれません。

また、たとえ機械の開発ができても、それをメンテナンスし、どんな故障の修理でもしてくれる専門家が必要です。

もちろん、その前には、それを購入してくれる会社が必要です。
そして、自分を信頼し、コピーの仕事を任せてくださるスタッフの気持ちが、最後には必要です。

このように考えることで、コピーをとる、ということの意味がまったく変わるのではないかと思います。
”コピーをとる”という素晴らしい仕事に気がついた時、毎日の仕事が楽しくなり、人生そのものが素晴らしいものになっていくと思います。

仕事が面白くないという人は、自分で仕事を面白くないものにしているのです。
そもそも、面白い仕事もなければ、つまらない仕事もありません。
そこに関わる人が、面白いものにしたり、つまらないものにしたりしているだけなのです。
楽しくやろうと思えば、何でも楽しくなってくるし、いやいややれば何でもいやになります。
今、自分が関わっている仕事の面白さは、自分の仕事に対する考え方によって決まるものなのです。

仕事が感動に変わる5つの心構え

①仕事の意味を考える
②ものごとを前向きに受け止める
③自己原因で考える
④自分の可能性を信じて、自分らしくやる
⑤目指すことを、あきらめない

もちろんこれらは、特別な能力ではありません。
また、労働時間を減らすとか、仕事を軽減するとか、職場環境を変えるとか、そういったことは、何も必要ありません。

そして、どんな仕事に関わっている人にでも、当てはめることができるものです。

すべて、仕事に対する考え方に関するものであり、ただ、自分の考え方を少し変えるだけでいいのです。
しかも、5つの中の一つでも実践することができれば、それまでの仕事に対する意識が大きく変わるはずです。

考え方を変えるというのは、気づくことなのです。
気づくことで、実践することができるようになります。
実践することで、実感することができるようになります。
そして、実感することができれば、習慣にすることもできるようになります。

どんな仕事も楽しくなる3つの物語

福島正伸 株式会社KADOKAWA 2014
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