好きなことは、人の役に立つことをする中で、見つかる。
選ばれていながら「やっぱり辞めます」と言う人がいます。
「自分の好きなことではなかった」からです。
常に「好きなこと」と「人の役に立つこと」という2つの選択肢があります。
「好きなことは、どうしたら見つけられますか」と言う人は、自分が何を好きかを探しています。
あるカメラマンのところに、弟子入り志願に来た人がいました。
「カメラマンのアシスタントは大変だから、やめといたほうがいいよ」と言うと、「どんな大変なことも引き受けます」と言うのです。
ところが、入って3日で「意外に大変ですね」と言って辞めていきました。
そのカメラマンは「またこういう人が来たな」と、笑っていました。
まず、人の役に立つことをすることです。
その中から「好きなこと」が見つかるのです。
この話をすると、「私は震災の時にボランティア活動をしていたので、人の役に立つことができます」と言う人が出てきました。
こういう人も、すぐに仕事を辞めます。
ボランティア活動は、自分のしたいことを選べます。
仕事においては、どういう形で人の役に立つかを自分で決めることはできません。
それは上司が決めることです。
「こういうことをしてくれたら、会社とお客様が助かるんだけど」と言われます。
その役立ち方は、99%、自分のしたいことではありません。
それをニコニコ笑ってできるかどうかです。
TVで、みんなに食事を配っているボランティアの姿が映し出されます。
TVには映らないところで、トイレの穴を掘っているボランティアの人もいます。
食事を配るためにボランティアに来た人は、「そこは手が余っているので、トイレを掘るほうをお願いします」と言われると、帰ってしまいます。
選ばれる人は、役立ち方のより好みをしないのです。
選ばれる人、選ばれない人 1ミリの差が、決定的な差を生む
中谷彰宏 ぱる出版 2016
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